10年の感謝を込めて 

 

 7月に当院は開院10周年を迎えました。10周年の記念に、記念品を購入する、植樹をする、祝賀会を催す等、あれこれ思案しましたが、今何をすべきかを考えた時、真っ先に浮かんできたのは、四川、ミヤンマー、岩手・宮城など地震やサイクロンの被災地でした。それなら、義援金をということで、中日新聞社を通じて寄付をさせていただきました。 日頃お世話になっている方々へは、この書面にて感謝とお礼の気持ちを伝えたいと思います。これからも微力ながら、医療を通じ社会に貢献できればと思っております。どうか今後ともよろしくお願い申し上げま す。

 振り返ってみると、この10年で世の中は地球規模で大きく変化していると感じています。身近な問題として、温暖化、物価上昇、社会制度 の改革等が挙げられます。それ等はどちらかというと、悪い方向へと進んで行っている気がしてなりません。例えば、医療において、日本の医療制度は高度な医療を全国民が平等に受けられるという世界中でも類のない素晴らしい制度ですが、公的医療費の削減目的による改正(改 悪?)により崩壊しつつあると懸念されています。そして削減された医療費はそのまま軍事費にあてられています。

 今年はオリンピック年です。オリンピック精神に則って、世界の平和祭典である北京オリンピックの成功を祈るばかりです。政治問題で、平和象徴の聖火リレーが妨害されたり、世界各地で絶えない国境紛争や内戦、テロを目の当たりにしますと、残念に思うと同時に、地球規模で平和を見つめ直す必要性を強く感じます。 

 クリニックとしては、この10年の間地道に診療に取り組んできたのはもちろんですが、新しい知識や技術を取り込み、医療レベルの向上に も努めました。一例としては、陥没乳頭の治療器具「ピペトップ」を開発し、患者さんの精神的、経済的負担を軽減することが出来、多くの方々に喜ばれ大変嬉しく思っています。  

 この先も戦争のない平和な世の中でWHOの健康の定義にある 【肉体的、社会的、精神的に良好な状態】で充実した日々を過していきたいものです。            

 

                        2008年7月 

                           

 

 

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